首都圏・ちょっと気になる貨物列車



(3) 3086列車


 武蔵野線開業以来、都心を走る貨物列車は少なくなりましたが、 今でも山手貨物線を何本かの貨物列車が走っています。 そのほとんどは夜間か早朝ですが、 今回紹介する3086列車は真昼間に山手貨物線を通過する数少ない貨物列車です。 おまけに、この列車の新鶴見(信)までの牽引機が 都内では見ることの少ないEH500であることも注目に値します。
 3086レは札幌貨物ターミナル発名古屋貨物ターミナル行きのコンテナ列車です。 しかし3086レとして走る区間は札幌(タ)から新鶴見(信)までで、 その先、稲沢までが3075レ、稲沢から名古屋(タ)までが3076レという列車番号に変わります。
 一般的に東北方面から東海道方面へ抜ける列車は、大宮(操)から新鶴見(信)までの区間は 武蔵野線を経由しますが、この3086レは下表のように湘南新宿ラインと同じルートを走ります。 (歴史的に見れば、貨物列車と同じルートを湘南新宿ラインが走っているのですが・・・)
 東北本線の交流区間では掃いて捨てるほど走っているEH500も黒磯以南まで下って 都内に入ってくる運用は少なく、現時点ではわずか4往復にすぎません。 うち2往復は隅田川までですので、 3086レは東京を越えて神奈川県までやってくる数少ないEH500です。 都内を走る時間帯は正午前後ですので、 池袋・新宿・渋谷という東京を代表する繁華街を白昼堂々と真っ赤なEH500が牽く貨物列車が 通過する姿はなかなか痛快です。 (2007年10月 T.O@管理人)

3086列車運転経路


2004.08.06 東北本線・金谷川−松川

2005.05.21 東北本線・栗橋−東鷲宮
EH500牽引の貨物列車がたくさん走っている東北本線の交流区間では 3086レも特に目立つ存在ではありません。
直流区間では赤い電機は目を惹きますが、 カシオペアや北斗星などのスターが存在するのでまだ名脇役ぐらいの存在か。


2007.03.10 東北本線・蓮田−東大宮

2004.04.25 東北貨物線・東十条−王子
有名撮影地の蓮田−東大宮間を走る3086レ。 北斗星4号のちょっと後にやってきますので撮影された方も多いのではないでしょうか。
いよいよ都内へ進入した3086レ。この区間では隅田川へ出入りするEH500も 見ることができます。


2005.05.28 山手貨物線・渋谷−恵比寿

2005.08.28 蛇窪支線・大崎−蛇窪(信)
真昼の渋谷付近を通過。ここは以前は貨物駅があった場所ですが、 湘南新宿ラインや埼京線が頻繁に行き交う現在では貨物列車は異質な存在のように見えます。
通称蛇窪支線を走る3086レ。五稜郭から走り続けたEH500の終着新鶴見(信)はもうすぐです。



蛇窪支線
 通称蛇窪支線は品鶴線・蛇窪信号場から山手線大崎への連絡線です。 もともとは新鶴見操車場と山手貨物線・新宿、渋谷方面を 直通する貨物列車のための連絡線として建設されました。 開通当初は東海道貨物線(品鶴線)の支線の扱いで、通称大崎支線とか蛇窪支線と呼ばれました。 東海道貨物線の支線ですから起点は蛇窪(信)で終点が大崎駅でした。 現在は蛇窪(信)が廃止され路線全体が大崎駅構内の扱いになったため、 山手線に含まれると解釈されています。
 左下の写真は支線のガード下にある注意書きですが「蛇窪支線」とはっきり書かれています。 汚れていてよく見えませんが注意書きの上には0K502Mという蛇窪(信)からの距離表示も残っています。 規定上の解釈はともかく現実的には蛇窪支線が生きている証です。
 右下の写真は西大井側から蛇窪(信)を撮ったものです。 右へ分岐する線路(複線)が蛇窪支線大崎方面行き、左が品鶴線目黒川・品川方面行きです。 大崎方面行きが右へ分岐するのはちょっと不思議ですが、 蛇窪支線は旧大井工場(現東京総合車両センター)の横を回り、 品鶴線をアンダークロスして大崎駅へ入ります。
 写真で上を走っているのは東急・大井町線で、写真右上が下神明駅です。 蛇窪支線を訪れるなら下神明駅のご利用が便利です。
ガード下には蛇窪支線の表示が
ガード下には蛇窪支線の表示が

西大井方から見た蛇窪信号場
西大井方から見た蛇窪信号場




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