テンダー

目次ページ      トップページ

 テンダー11【補重】 2012年10月28日


 ワールド工芸のテンダーは石炭形のウエイトなので重心が高く、ちょっとフラつくことがあります。 増炭枠の関係でウエイトをずいぶん削りましたので、重心の点では有利になったかと思います。 しかし、慣らし運転でパワー不足気味だったこともありますので、テンダー内の空間を鉛で埋めてしまいます。 補重とともに重心が下がることを期待します。
 テンダー内の後部には空間がありますので、ここに鉛板を4枚詰めることにします。 鉛板は糸ノコでザックリ切り出します。外観の部品とは異なり、糸ノコを持つ手も気楽です。




 動力ユニットの左右にも少し余裕がありますので、ここにも鉛板を貼ることにします。 鉛板は後部と左右の合計6枚で10グラムでした。




 鉛板の固定にはゴム系のボンドを使用しました。 微調整が可能ですし、走行中の振動にも有利かと思います。 鉛板6枚を接着するとテンダーの重量は60グラムとなりました。 2割増の補重となりましたが、手に持った感触もあきらかに重くなりました。 牽引力に良い影響が出ますように!






 テンダー最後のパーツはヘッドライトです。 キットには入っていませんが、34番にはテンダーにもヘッドライトがあります。 恐るべしNゲージ、テンダー用のヘッドライトというパーツがあるんですね。 ヘッドライトそのものは変わりませんが、取付用の足が下部から真直ぐ後ろに伸びています。 この取付用の足がテンダー用なんですね。





 ウエイトを固定し、ヘッドライトも付きました。 これでテンダーは石炭を残すのみですが、石炭は塗装後に積むことにしましょう。(H・T)





 テンダー10【背面】 2012年10月21日


 テンダーの炭庫が終わりましたので、次は背面を仕上げることにします。 後ろの連結器開放テコも一体のエッチング抜きですね。 ここで車体を1mm下げたことの影響が。 開放テコの取付穴もエッチングで抜けているのですが、車体と一緒に1mm下がっています。 内側の心材の穴とずれていますので0.5mmのドリルで穴を開けますが、動力ユニットの床板と干渉する位置です。






 開放テコのステーが裏側に出っ張らないよう短くしておきます。 動力ユニットの床板に少し余裕があるので、床板には加工は不要でした。
 続いてカプラーポケットをハンダづけ。KATOのアーノルドカプラーを取付ます。




 タイトルに反して前面の連結ピンもハンダづけします。 キャブ床板の穴に差すだけですが、動力を持たない機関車との連結はこれで十分ですね。 しかし、このあたりの構造は16番とは違いますねぇ。




 機関車とテンダーが連結でき、客車を牽引出来るようになりましたので、ここで慣らし運転しておきます。




 Nゲージのレールは少ししか持っていませんので、 慣らし運転はレンタルレイアウトを活用することにします。




 自宅の近所にある「レトモ」という店です。 レンタルレイアウトは初めてですが、手の届かないところで立ち往生すると店員さんを呼ばないといけません。  慣らし運転の結果、テンダーの2軸目が脱線しやすいこと、登り勾配では4両牽引でも苦しげだったこと、 機関車がもう少し重いほうが安定しそうなことがわかりました。 テンダーはやはり補重が必要ですね。ついでに機関車の台枠内にも補重しましょう。(H・T)





 テンダー9【炭庫】 2012年10月14日


 懸案項目を後回しにしてきましたので、残る工作は少々手強いものばかりです。 テンダーの前側の妻板を新設したので、石炭形のウエイトがそのままでは載りません。 荒いヤスリでゴリゴリと形を整えます。 一緒に増炭囲いに合わせて石炭の形も変えておきます。






 ここでウエイトをテンダーに載せてみます。






 一口に増炭囲いと言いますが、
 A:両サイドのみ、
 B:両サイドに前側妻板を加えてコの字形、
 C:後ろ側も加えてロの字形、
 D;C形の後ろ側が炭庫の底に達していて炭庫の後ろ半分を使わない、
と色々なタイプがあります。 AとBは石炭を多く積む目的ですが、CとDはちょっと違うようです。 電化された駅ではテンダーの上で石炭を掻き寄せることが出来なくなったので、 石炭を前に寄せて積む目的と思われます。




 C55 34の増炭囲いは木製なので、質感の差を表現するためエコーモデルのSTウッドを使ってみました。 寸法は幅1.5mm、側面の長さ12mmとしました。




 STウッドの増炭囲いに合わせてウエイトを再度ヤスリます。




 組み合わせてみます。塗装後に石炭を積みますが、下地としてはこれで良しとしましょう。




 結果としてウエイトはずいぶん削ってしまいました。 ただ、石炭形のウエイトは重心を高くするので不安定でした。 モーター横に鉛板のウエイトを追加して重量を補うとともに重心を下げようと思います。(H・T)






 テンダー8【ディテール】 2011年8月28日


 テンダーの項も今回で8回目、想定外に回を重ねてしまいましたが、側板の高さを詰めたあたりが原因ですね。 今回も更に寄り道してしまいました。
 テンダー4【前面】でも書きましたが、前側の妻板上部がなく、ここは石炭型のウエイトで済ませるようになっています。 キャブの屋根で隠れてしまう場所なので目立たないのでしょうが、16番育ちの私としては気に入りません。








 エッチングパーツの枠の部分から2枚切り出しました。 左側の1枚は棚板なので、ぴったり嵌るよう18.5mm幅、 右側の1枚は、石炭取出し口に合わせて中央部分を5mm幅とし、 後退角のついた両側を7.5mmとして20mm幅としました。




 後退角が左右で揃うよう、中央部分が下半分と平行になるよう目チェックで調整します。 これでテンダーらしくなりました。








 参考画像が手に入いるのは、いいような、悪いような。 光線の具合にも左右されるのでしょうが、テンダー台枠を走るATS用配管が目につきます。 勢いに乗ってATS車上子への配管をつけることにしました。




 配管の終端部には電線管継手がつき、ここから台枠内側に配線が導かれています。 この電線管継手を簡単に表現しようと思います。 エコーモデルの細密パイプ(外径0.5内径0.3)に0.3mm真鍮線を差し込みハンダづけし、 パイプを1mmの長さでニッパーで切断。 中が詰まっているので歪まずに切れるので、端面を耐水ペーパーで仕上げれば出来上がり。 断面が角か、丸か、という違いはありますが、違和感ないかなと思います。
 配管留めは、レボリューションファクトリーの割ピンを使いました。 WEBで探したら108本入とあり、こんな小さな部品をよく数えるものだと感心したのですが、 なんとエッチング抜きでした。これならば正確に数えられますね。  台枠側面に二ケ所づつ割ピンで留めましたが、あまりに小さく、画像では見づらいかもしれません。 キット素組のつもりでしたが、予定外の脱線です。さて、この後はどうなることやら。(H・T)








 テンダー7【台車2】 2011年8月7日


 台車枠を外してみると、バリに見えた部分は、ホワイトメタルの型のずれでした。 いずれにせよ見栄えが悪いので、輪郭が二重に見える奥側の段を削ります。 続いて動力ユニットの台車取付部分を削って短く、 台車枠裏側も動力ユニットの取付部分がつっかえないようヤスリました。
 台車枠をネジ留めして軸箱とのずれをチェックしますが、左側の軸箱が下がる傾向がありました。 左右の傾きはホワイトメタルの取付面をヤスリ調整、写真の状態で良しとしました。 歪み、傾きがない(正確には許容範囲内にある)のは気持ちいいものです。 今回は工作時間の割に写真が少ないのですが、これでスッキリして次に進めます。






 「とれいん」25号(1977-1)、とれいん増刊「車輌の視点1」にC55流改の記事を発見、 図面も掲載されているので寸法を適宜チェックしていこうと思います。 またノーブルジョーカーのS・N、N・IからC55 34や流改の画像提供があり資料が集まってきました。 資料が多いのは心強い反面、わかってしまうことで悩みも出てきます。 34番はキャブ屋根の雨樋が改造されているのですが、これがどうにもこうにも不思議な形状で、 どうやって表現しようか、いやその前に「これ、どんな構造なのさ?」と悩んでしまいます。(H・T)





 テンダー6【台車】 2011年7月31日


 台枠に動力ユニットをネジ4本で留めます。 例によって台枠には穴だけ開いていますので、1.4mmのタップをたてます。 説明書は、前側は1.4×1.5皿ネジ、後側は1.4×5ナベネジを使うよう指定しています。 前側は横から見えてしまうので皿ネジが指定されているのですが、そのままではネジがとどきません。 頭を隠すとともにネジがとどくよう、ネジ穴を3mmのドリルで皿モミします。






 動力ユニットに台車枠をネジどめしますが、ここも穴だけなのでタップをたてます。 台車枠が曲ってつかないよう取付面のバリを取って平面を出しておきます。 台車枠も皿ネジが指定されていますが、ここも穴だけなので皿モミします。






 テンダー本体、動力ユニット、台車枠を仮組みしてみます。 車軸は車輪の面で切ってあり、台車枠は飾りなので台車の位置がずれないよう注意が必要です。 車輪と台車枠の位置関係を見ると、台車が下がっていますね。 原因をさぐってみると、台車枠の取付面が奥に長く、つっかえてしまって真直ぐについていないことがわかります。 ここの修正とともに、台車枠周囲のバリも気になりますので、合わせて仕上げることにしますが、続きは次回に。









 テンダー5【台枠】 2011年7月24日


 台枠もエッチング抜きで4辺を曲げたものです。 テンダー本体の下部内側にハンダづけするようになっているのですが。




 テンダー上回りに台枠を合わせてみると隙間が空いてしまい、このままではハンダづけ出来ません。 説明書には何も記載がありませんが、事前にテンダー下部に帯材をハンダづけして隙間を埋めることにします。




 シル・ヘッダー用に買ってあった1.5mm幅の帯材がちょうどぴったりなので、テンダー下部内側にハンダづけしました。 ハンダこてが入りづらい場所ですが、帯材にハンダメッキしておいたので難なくつけることが出来ました。




 テンダー本体に台枠をハンダづけしますが、ここもハンダこてが入りにくいので、 台枠外側に軽くハンダメッキしておきます。 台枠が引っ込み過ぎかと思いましたが、実物写真と見比べてみると調度いい感じです。




 テンダー2で側板が心材より長いと書きました。 色々と写真を探してみてもテンダー前端が見えるものがなかなか見つからなかったのですが、 側板と妻板は突き合わせになっていることが確認できました。 0.3mmほど側板を削りましたが、 妻板にエッチングで表現されたディテールを傷つけそうで完全に角を出すことが出来ませんでした。







 テンダー4【前面】 2011年7月10日


 続いて前側を仕上げることにします。 前部の妻板も下部を1mm詰めますが、下部は台枠を避けて凹形になります。 右側の石炭の取出し口は折り曲げ線に沿ってチャンネル状に曲げます。





 石炭の取出し口には取付用の足があるのですが、 説明書には穴の位置が合いませんと書いてあります。 たしかに心材にある穴は内側に寄っていて、そのままでは挿せません。 妻板の切り欠きいっぱいの位置に0.5mmのドリルで穴を開けます。







 これでテンダーのボディは完成なのですが、 キットには炭庫前部の妻板の上半分がなく、 ここは石炭形のウエイトで隠すようになっています。 Nゲージとはいえ、ちょっと乱暴な設計ですね。



炭庫の上半分を真鍮板で足そうと思いますが、 キャブの屋根との干渉が心配ですので、 先にテンダー台枠を仕上げて足を履かせることにします。







 テンダー3【背面】 2011年7月3日


 背面の化粧板も下部を1mm詰めて心材にハンダづけします。 心材に当ててみると上縁がギリギリです。1mm以上詰めていたら心材も修正する必要がありました。 さて、流改のテンダーは側面と背面の角に丸みがありませんので、カッチリ角が出るよう注意します。
 前回に悩んだ心材の突起ですが、結局は邪魔になり削り落としました。 削るのであれば側板をハンダづけする前に削ってしまえば楽だったのですが。





 次はテンダー1の集合写真で石炭型ウェイトの右に見える板を取り付けます。 折り曲げ線に沿ってL型に曲げると、垂直面が炭庫背面になり水平面に給水口と手すりがつきます。
 仮に置いてみると、この部品は心材の厚みの上に乗るようになっていました。 側面を低くしたので、当然のことながら炭庫背面が飛び出ることになります。







 さて、炭庫背面も高さを1mm詰めればいいはずなのですが、 給水口の面がテンダー背面とツライチになってしまい、ちょっと変です。 この面は水槽の上面であり、炭庫の底面でもあります。 もう少し古い形式ですとリベットの並びで位置がわかるのですが、 C55は溶接構造なので外からはわかりません。 しかも、「蒸気機関車の角度」によれば、 流線形の炭庫はホッパ車のように中央に向かって傾斜がつけてあるそうです。
 これは図面で確認するしかないと探したところ、 TMS313号(1974年7月)に中尾豊さんの流線形の図面がありました。 給水口のある面は、1/80でテンダー下端から16mm、16×80/150は約8.5mmとなり、 炭庫背面の高さはそのままに、1mm少々下げることにします。 調べものをすると工作の手が止まってしまうのですが、これはこれで面白いものです。


心材の厚みを避けるよう切り欠きをいれました。

手すりはエッチング製、折り曲げて差し込むようになります。


手すりと給水口を先につけ、テンダー後部にハンダづけします。 ツルツルすべって位置決めに難儀しましたが、無事終了。 連結器胴受けと開放テコが残っていますが、出っ張ってしまう部品は最後に回します。









 テンダー2【側板】 2011年6月26日


 側板の裾を1mmほど糸ノコで切り落とします。 板も薄く1mmのことですが、ヤスリで全部を粉にしてしまうよりも糸ノコのほうが早いですね。 エッチング加工されたパーツは柔らかいので、不用意に曲げてしまわぬよう注意して仕上げます。







 1mm詰めただけですが、その差は大きいですね。 低型と高型の差は200mm以上とのことでしたが、1mmに留めておいたのは正解でした。 その訳は次回のお楽しみ!?
 下の写真でおわかりになるでしょうか。 テンダー心材の下の角に前後とも突起があります(写真では上の角です)。 説明書にも何も指示がなく、背面の角を切り欠けば位置決めの助けになるかな? とそのままにして進めることにします。





 テンダー心材に側板を当ててみると側板が少し長いようです。 長さはあとで前側で調整することにして下と後ろを合わせてハンダづけです。





 テンダーに見えますね。





 テンダー1【高さ】 2011年6月19日


 フレームの次はテンダーに手をつけることにしました。 16番を見慣れた目にはNゲージの足廻りが華奢に見えてしまいます。 また、テンダードライブの場合はロッド類の動きが走行性能に影響しそうです。 そこで、先にテンダーに着手し、上廻りの完成前に慣らし運転を終えておこうという目論みです。
 テンダーのパーツが入った袋を開けてみます。動力ユニットは組立済みですね。 台車はダミーで首を振らないようです。テンダーもまた心材にディテールパーツを取り付けてゆく構造になっています。





 さて、説明書では車番による形態の差が解説されています。 で、34番は?と言うと、デフの取付位置が低い、テンダーが低型と書いてあります。 低型のテンダーは上縁が20cm低く前半分に増炭囲いがあるそうですが、恥ずかしながらこの違いは知りませんでした。 と言うことで、昔のネガをひっくり返してみると27番と34番の写真があり幸いにも両方の写真が揃ってしまいました。 カビが酷いのですがご覧ください。確かにテンダーの高さには差がありますね。







 このテンダーの高さは「違いが大きい!」という印象を受けましたが、 説明書には「ウエイト等の問題があり改造は難しいです」と書いてあるのです。 しかし、難しいと言われて避けていては男がすたる!とばかりに低型改造を決意、 側板の下部1mmの位置にノギスでケガキを入れました。Nゲージだと1mmでも大きいですねぇ。







目次ページ トップページ