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 銅版画製作記(4) 2011年3月9日


インクは今の気候ですとちょっと固めなので銅板をパネルヒーターの上で暖めなから、 腐食した凹版の中に押し込む感覚で塗布します。
今回は黒い銅版画用油性インクを使用しましたがその中でもいろいろ種類があり用途ごとに使い分けてます。
真っ黒は深みがあり、青系の黒(青口)は機械などの静物に、 赤系の黒(赤口)は動物、 生き物など暖かみのある物に適していると思います。



ゴムローラーで凹部に詰め込んだら余分なインクを寒冷紗(荒い繊維の生地)で拭きます。
この時もヒーターで暖めると楽に行えます。



ざっと拭き取ったら今度は人絹などの細かい繊維の布で残りを拭き取ります。
完全に拭き取るのではなく腐食されていない部分にも僅かにインクが残る様にします。



さあ、拭き取りが終わったら印刷です。
拭き取った銅版を鉄板のベットの上にのせ、水で湿らせた版画紙を被せその上にフェルトを数枚被せます。
銅板の厚さによってプレス機のローラー圧を微調整します。 (SS)








 銅版画製作記(3) 2011年3月2日


グランドを塗布した銅板にイラストを描きます。
描くペンはニードルと言い、太さ、形はいろいろあります。
銅色が露出した部分を腐食液でさらに深くエッチングするわけです。



描き終わったらエッチング処理に移ります。
裏面は腐食する必要がないので私は安いカッティングシートを裏全体に貼ります。
このやり方は邪道かもしれません、本来は裏面を止めるための裏グランド液があるのですが 塗って乾かし剥がす手間を考えるとカッティングシートが確実で楽だからです。
さらにこのシートはくり返し利用出来ます。



次は腐食です。
古くは腐食液に硝酸を使いましたがガスが発生するため最近ではめっきり減っているそうです。
私は安全性が高い塩化第二鉄を使用しています、版画界では「ニテツ」と呼んでいるそうです。
表面を下に向け液に浸します、腐食時間は温度にも比例しますが今回は1時間行いました。 (SS)








 銅版画製作記(2) 2011年2月23日


グランド液の塗布
真っ黒な瓶の中身はグランド液と言い、腐食から銅板を守る皮膜液です。(写真技術でしたら乳剤にあたります)
「銅版画のテクニック 深澤幸雄著」(今でも美大では教材に使っているらしい)を見ますと 「石油缶の中にアスファルト、松ヤニ、白蝋を放り込み直火でグツグツ溶かしてペースト状にし、 火から下ろし熱いうちにホワイトガソリンを入れ液体グランドにする」とあります。
このレシピを見た瞬間、こりゃ危険すぎると思いましたが、 後で専門店に行ってみたら写真の様な瓶詰めが売られていました。



グランド液を塗布してみましょう。
下の写真は既にエッチングした版に加筆するため、もう一度グランド液を塗布しているところです。
グランド液の濃さはちょうど「醤油の濃さ」だそうで 日本人にはピンときますが500年前の人たちはどう表現してたのでしょうか?
表面張力のため、四隅には溢れず楽に塗布出来ます。 (写真技術ではフイルムにあたります)



余分なグランドは瓶に戻します。
この液はラッカーの様に速乾性ではなく温度を掛けてもベタつくだけです。
ですから全体にグランドを塗布したらしばらく放置し乾くのを待つしかありません。
この皮膜の微妙なベタベタ感が細いニードルで線を引いても皮膜が割れる事なく繊細に書けるのです。  (SS)








 銅版画製作記(1) 2011年2月16日


準備編
昨年3月にもこの「大人の休日レイアウト」で銅版画の事を少しご紹介しましたが 今回は銅版画の製作方法をご紹介致します。

銅版画の画材は東京では神田神保町の文房堂(三省堂の裏)が良く揃う店として有名です、 また新宿の世界堂も一通り揃います。
使用する銅板は画材店でもカットした物を売っていますがサイズに制約され高価な為、 私は1mm厚の定尺360mm×1,200mmを銅板屋さんから直接購入しています。
銅板屋さんでの価格は重さと地金の相場で計算しているので、銅相場に非常に敏感です。
しかし値上がりを予想して大人買いをしないでください、 錆びさせてしまうと後処理がえらく手間取ります。(経験談・涙)



銅板のカットには30年以上前に鉄道模型用として購入した遠藤機械の簡易切断機を利用しております。
版画の教本を見ますと「けさぎ」で何回も傷つけカットするそうですが、 これは500年前のルネサンスの頃の手法。ん〜、格段の進歩です。 (SS)








 年越し運転(2) 2011年1月12日


次のトラブルはループのクロス部分でカブースの煙突が接触している事です。
この前カーブにカントを付けた事で線路が持ち上がったのが原因です。
建設当初、スケールが大きいからいらないか?との理由でカーブにカントは付けなかったのですが、 いざ走らせてみると目の錯覚かスロー運転でも車両が外に膨らんで見えて非常にカッコ悪いものです、 そうなってくると実物の鉄道を見ても気になるものです、こんなにカント付いてるのかと・・・(笑)
そんな理由からカントは元に戻せません、仕方なく上の道床を削る事にしました。
ま、この部分はトンネル内に隠れてしまうので問題ありません。





次はK-28の先輪がループ部分で脱線する問題が発生しました。
発生する場所はフレキシブルの区間ですが、原因が道床なのかフレキシブルが問題なのかわかりません。
以前このフレキシブルはバックゲージがちょっと広く感じていたので枕木の間をカットしてみましたがまだ脱線します。
フレキシブルではありませんでした。道床も調整してみましたが解決しません。



仕方なく先輪台車にウェイトを積もうと思い外してみたところ、なんと台車の組み方が悪くセンターが出ていません。
バラして組み直したところ脱線は発生しませんでした、競ってフレームに当たっていたのが原因だと思います。
やれやれ年越し運転会は無事終了しました。(SS)











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