ある日のこと、ノーブルジョーカーのH.T氏からメールが届いた。「TMSが乗工社の倉持さんが亡くなっ
たと伝えている」との事、非常に残念な知らせであった。早速近くの本屋で最新号のTMSを買って見る
と「編集者の手帳」には、氏の訃報に続き学生の頃から晩年までの業績と評価が簡潔に記されていた。
我々の年代では、倉持さんが主力メンバーだった「けむりプロ」には少なからず共感と感動を憶えた
はずである。私自身、すでに解散してしまったが「クラブ アバルト ジャパン」という車趣味の会の
同好の志でもあった。数年間にわたって月2回、深夜のファミレスでのミ−テイングでは車や鉄道、
模型やカメラなど尽きる事のない倉持節に聞き入ったのもついこの間の様に思い出される。
さらにノーブルジョーカーの大多数のメ−バーと同じ慶応義塾高等学校鉄道研究会のOBでもあった事も
あり、何度か我々のレイアウトの運転会にもお誘いをして楽しんで頂いた事もある。
そんな訳で今回の運転会ではメンバーの所有する乗工社製品を持ち寄り倉持さんの業績を偲びたいと
思った次第である。
「けむりプロ」を決定づけた「鉄道賛歌」は余りにも名著であるが、氏からは「NARROW GAUGE IN
THE ROCKIES」を参考にしたと聞いた。「けむりプロ」の鉄道思考はのちにTMSに連載されたダックス
ストーリーなど独特の模型感と製品へと花開く。ゲージはナローからスタンダードまで幅広く、さすがマ
ニアが造る製品だけあってベーシックな車両から、ほど良いディティールの車両まで取り揃え、レイア
ウト製作を意識したストラクチャーまでなかなか心憎い品揃えをされていた。鉄道模型界へ与えた功績
は実に大きくTMSにも書かれていたように「一代の風雲児」と称されるに相応しい方であったと思う。い
つもタイトなジーンズ姿でスマートな出で立ちだった倉持さんの御冥福をお祈り致します。
(2004年12月 S.S)
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