トップナンバーアルバム

小田原駅の待避線に進入する923形「T4」編成。先頭が923−1です。 2ヶ月に一回、「こだま」などが待避する副本線に入り、検測を行います。
2022年 8月22日 小田原駅

小田原駅に停車中の923-1、1号車です。 ダイヤは公表されていないのですが、鉄ちゃんだけでなく沢山の方が、 見に来ていました。
2022年 8月22日 小田原駅

小田原駅に停車中のJR西日本所属の923-3001、1号車です。 923形の前面に観測用カメラが設置されています。 700系では前照灯と一体となった尾灯部分も前照灯が設置され、6灯化しています。 なお、尾灯はカメラ窓の脇に移動しました。
2008年 6月11日 小田原駅

923-2、2号車です。集電用(車端寄り)と検測用(車体中央寄り)の2基のパンタグラフを有し、 大きなパンタグラフカバーが設置されています。 なお、パンタグラフは2基同時に上がることはなく、この時は博多行きで、 博多側 2号車のパンタグラフは検測用、 東京側 6号車のパンタグラフは集電用となっています。
2022年 8月22日 小田原駅

923-3、3号車です。2号車寄りに観測用ドームが設置されています。 観測員用の座席がありますが、現在は観測員が目視で作業を行うことはなく、 監視カメラやレーザービームで検測が行われています。
2022年 8月22日 小田原駅

923-4、4号車です。軌道検測を行うため、検測台車を履いています。
2022年 8月22日 小田原駅

左側が軌道検測用台車です。右は2号車の一般台車です。 ヨーダンパが1台車で片側に2本、計4本あります。 また、検測装置との干渉を避けるため電気指令ブレーキが備わっていません。
2022年 8月22日 小田原駅

923-5、5号車です。3号車と同じ観測用ドームがあります。
2022年 8月22日 小田原駅

923-6、6号車です。2号車と同じくパンタグラフが設置されています。
2022年 8月22日 小田原駅

923-7、7号車です。添乗員室のため、窓が他車より多くなっています。
2022年 8月22日 小田原駅

JR西日本所属の923-3007、7号車です。
2008年 6月11日 小田原駅

JR東海の0番台とJR西日本所属の3000番台は、外観に微妙な差があります。 内装なども異なるようですが、乗車したことがなく写真はありません
JR東海の0番台車は車体側面に穴はありません。写真は923-7です。
JR西日本の3000番台には、博多総合車両所で、 メンテナスを行う際に使用する車体を吊り上げるためのリフト用差し込み穴があります。

JR東海の923-7の屋根には、アンテナカバーがなく平坦です。
JR西日本の923-3007の屋根には、アンテナカバーがあります。


 ドクターイエローは鉄道ファンだけでなく、一般の人にも人気がありますね。 なかなか目にする機会が少ないのですが、 運行パターンはほぼ予定臨のスジなので、 専用掲示板の情報をチェックしていれば追いかけることが出来るようです。 今月の友情出演は、そんな幸せを運ぶ(?)ドクターイエローをご覧ください。
(2023年8月 H・T)
923−1の形式・番号表記です。 JR東海所属、923形 0番台車の「JR」マークはオレンジ。JR西日本所属、 923形3000番台車は「JR」マークはブルーとなり、 コーポレートカラーに合わせています。
2022年 8月22日 小田原駅

 今回のトップナンバーは、「ドクターイエロー」こと新幹線電気・軌道総合試験車です。 この923形は、JR東海所属「T4」編成0番台とJR西日本所属「T5」編成 3000番台の2本が在籍しています。JR東海の923-1は文句なくトップナンバーですが、 JR西日本の923-3001も同一形式ですが、所属会社が異なるのでトップナンバーといえます。 ただし923形3000番台の全検はJR西日本博多総合車両所で施工されますが、 通常JR東海大井車両基地に常駐しており、交番検査や台車検査は、JR東海に委託されています。
 検測は、のぞみと同じダイヤで走る通称「のぞみ検測」が10日に一回程度、 各駅に停車して副本線(待避線)を検測する通称「こだま検測」が2カ月に一回行われています。 なお、レールは繋がっていますが、九州新幹線の検測は行いません。 九州新幹線は、当初、営業車 800形の「U001」編成に検測装置を搭載、検測を行っていましたが、 今は増備された「U007」「U009」編成 (1000番台) が軌道検測、 「U008」編成 (2000番台)は電力・信号・通信の検測ができる機器搭載可能となっており、 検測が行われています。 923形とは違い検査実施時のみ機器を搭載します。また、東北新幹線、北海道新幹線、 上越新幹線、北陸新幹線の各線は、JR北海道、JR西日本の区間を含め、 JR東日本のE926形電気・軌道総合試験車( East I )が検測を行います。

 さて、923形は、0形をベースにした922形電気・軌道総合試験車の設備機器老朽化や 検測が原則として営業運転が行われている日中に実施するために、 300系や700系が270km/hで行き交う路線では、210km/hの検測はダイヤを組むことが難しくなりました。 そのため、JR東海は営業車の主力だった700系をベースに270km/hで検測走行可能な 車両として開発を行い、923形「T4」編成( 0番台 )が2000年(平成12年)に登場しました。 JR東海所属の922形「T2」編成(10番台)が置き換えられました。 2005年(平成17年)にはJR西日本が923形「T5」編成( 3000番台 )を登場させ、 同じくJR西日本所属 922形「T3」編成(20番台)を置き換えました。
 923形は、922形からの伝統であるイエローの車体にブルー帯を配置する塗装で
 1号車 : 変電、トロリー線、信号、通信、電気、施設検測
 2号車 : 電力・集電測定、高圧室設置
 3号車 : 電力データ整理室、屋根に2号車のパンタグラフをチェックする観測ドーム
 4号車 : 軌道測定 測定台車を履くため編成唯一の附随車
 5号車 : 3号車と同じくパンタグラフ観測用ドーム設置、多目的試験室、休息室
 6号車 : ミーティングルームと緊急時の復旧資材搭載スペース設置
 7号車 : 視察などに対応する添乗員室があり、700系に準じた座席10列配置
と号車ごとに役割があります。走行機器は、 加速度など700系に準じていますが編成が7両となったことで、 700形の4両1ユニット(T+M2+M'+M1)から3両1ユニット(M1c+M'+M2)となり、 700系先頭車が制御附随車(Tc)に対し、制御電動車(M1c)に変更されています。
 現在は、営業車にモニタリング装置を搭載、常時観測を行う体制が開発されましたが、 923形電気・軌道総合試験車は、モニタリング装置だけでは観測できない項目の検測を実施しています。 東海道新幹線からは、既に700系は姿を消しましたが、 今後、923形の後継車輛は登場するのでしょうか?
(2023年8月 T・O)