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新宮駅側線に止まっていたDGBC2形。手前がTcのDGBC2B-1。顔付きは225系に似ていますがやや角張っています。  2014年9月6日 新宮駅

DGBC2A-1側面。床下左がバッテリー。右がVVVFインバータ機器。こちら側の座席は窓向き展望座席となっています。
なお連結面にはバリアーフリー対応の大型トイレが設置されたため窓が塞がれ、扉も締切扱いとなっています。
クーラーは集中分散型です。  2014年9月6日 新宮駅

DGBC2A-1上記画像反対側。こちら側の座席は転換クロスシート。   2014年9月6日 新宮駅

DGBC2B-1の側面。床下にディーゼルエンジンと発電機などを搭載。 窓配置は225系と同様、扉間3窓、中央が大型タイプとなっています。
この車両はクーラーは集中型です。  2014年9月6日 新宮駅

試験車両らしい形式番号表記。Mc車です。2014年9月6日 新宮駅 Tcの形式番号表記。Mc、Tc区分はありません。2014年9月6日 新宮駅


 最近の自動車はハイブリッド車や電気自動車が勢力を拡大していますね。 時代の流れに対応して、今後はナンバーの区分や自動車税の区分を変えていく必要がありそうです。 鉄道でも電車なんだか気動車なんだか、よくわからない車両が出てきました。 こちらも「モ」でもなく「キ」でもない新しい記号が必要かもしれません。
 今月の友情出演は、そんな最先端の試作車をご覧ください。(2015年1月 H・T)
 快速や普通列車にしか乗れませんが、私は「青春18きっぷ」ファンでかなりの頻度で購入をしています。 しかし、5回使えるかというと、それは難しく未消化で終わってしまうこともあります。 2014年夏「青春18きっぷ」は9月10日が期限でしたが、9月に入っても1回分残っており、 無駄にしてしまうのも惜しいので35年ぶりに紀勢線に乗車しました。 ただ、大磯から往復使用は時間的に無理で、関空まで飛行機、そして阪和線経由で乗りました。 JR西日本とJR東海との境界駅、新宮まで来ると側線に止まっていたのがこのDGBC2形です。 和歌山デスティネーションキャンぺーンで9月13日〜12月14日に快速「ハローキティ和歌山号」 として供されるためと駅員から聞きました。
 この車両、近畿車両が非電化路線向けに開発している自己充電型バッテリー車両 (Smart BEST:Battery Engine Synergy Train)で走行や照明、 冷房などのサービス電源をすべてバッテリーで賄うシステムとなっています。 Mc-Tcのユニットで、McにはVVVFインバータ機器とバッテリー、 Tcに発電用ディーゼルエンジンとコンプレーサなど搭載しています。 JR東日本でもキハE200系、HB-E300系ハイブリッド気動車を開発し運行していますが、 JR東日本の車両がディーゼルエンジンで発電した電気を直接給電することが出来るのに対し、 この車両のディーゼルエンジンはバッテリーへの充電専用としたため、 JR東日本の車両よりエンジン出力1割小型化、バッテリー容量が5倍となりシステムが少し異なっています。 JR西日本の山陰線、境港線、伯備線で走行試験を行い、その後JR四国でも行い、 鳴門線、徳島線では県内在住者を対象に試乗会も実施されました。
 なお、JR四国で実施された走行試験では徳島県知事が 「導入されれば電車のない最後の県からの脱却になる」と発言されましたが、 国土交通省見解は動力発生源がディーセルエンジンのため電車ではなく気動車とのことです。
 現在はまだ最高速度70km/hですが、試験結果を踏まえて「ハローキティ和歌山号」として営業運転されたようです。 運行が終了し、近畿車両へ返却されましたが、今後どのような形で実用化されるか楽しみです。 (2015年1月 T・O)