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地福駅に停車中の「SLやまぐち号」です。オロテ35 4001は白帯で展望車の雰囲気が強く出ています。   2017年10月29日 地福駅

オロテ35の展望室から見る展望デッキ。デッキにいる人たちは大半が今回の旅行仲間です。
屋根は勿論シングルルーフですが、展望室の天井はダブルルーフを再現しています。   2017年10月29日 やまぐち号走行中

客室と展望室の仕切り。客室内の天井はシングルルーフタイプ。照明は白熱色ですがLED。
また左側のディスプレイには、行先や現在走っている場所などが表示されます。   2017年10月29日 地福駅


 JR西日本がやまぐち号の客車を新製、なかなかと力が入っていて各方面の評判も良いようです。 ただ、展望デッキを見て違和感を持ってしまいます。 それはオハ35系をモチーフとしながら、妻板の幅(展望デッキの幅)を車体幅のままとしたことです。 妻面のマス、縦横比の差から印象が異なる、ほんの少しのことですが、印象把握という点で惜しいところです。
 ともあれ、今月の友情出演は、早速に試乗してきたT・Oのレポートです。 (2018年1月 H・T)
 学生時代の仲間達と行く年一回の旅行、2017年(平成29年)は客車を新たに製造した「SLやまぐち号」乗車がメインとなりました。 乗るならば新山口発津和野行きの最後尾グリーン展望車に乗車したい、 との希望が多数となりましたが、普通車でも大人気で、満席が続いている状態です。 ダメもとで、グリーン指定券を乗車日1ヵ月前の発売日に大磯駅窓口に申し込みました。 全員分だと11席。しかし、グリーン車は23席しかなく、駅員さんも「努力するが無理かな」と一言。 「117」時報を聞きながら、発売開始時間の10時にマルス端末をたたいてくれました。 すると、奇跡的に11席確保できたのです。 そのお陰で楽しい旅行が出来、車内は盛り上がりました。 その時に、思ったのですが「SLやまぐち号」普通車指定席料金は、520円。 グリーン車指定席料金は、980円です。 +460円ですが、シートピッチ1470oのリクライニング座席や展望席・デッキ利用などで差額以上の価値があります。 これは現行の料金体系では如何ともしがたいと思う一方「ななつ星」「瑞風」「四季島」 などのクルーズトレインにJR各社が力を入れる理由が分かったような気がしました。
 さて、JR西日本が製造した「SLやまぐち号」用35系客車は、 使用していた12系客車700番台(レトロ仕様車)が老朽化してきたことに伴う取替のために誕生した客車です。 JR客車としてはJR九州の「ななつ星」以来、JR西日本としても発足後初の客車です。
 新山口方の1号車から、オロテ35 4001+スハ35 4001+ナハ35 4001+オハ35 4001+スハテ35 4001で組成されています。 旧型客車のような車体ですが、2017年の製造で車内設備は勿論、 ブレーキは電気指令式を採用するなど最新車両の標準システムを取入れています。 形式は国鉄時代に製造された客車「オハ35形」を踏襲していますが全くの別物です。 初代オハ35形の番号には、1〜1314番(途中欠番有)と北海道仕様の1501と1502があり、 更に電気暖房取付車は元番号に2000を加えているので、0番台〜3000番台まで使われています。 そのため車番が重複しないように、オロテ35形など他形式を含めて「4001」が付与されました。
 オロテ35 4001は、マイテ49形を参考に作られ、客室は1+2回転リクライニング席と、 2人用と4人用ボックス席が一組、展望室、展望デッキ、洗面所、トイレ、荷物置き場、車掌室が設けられています。 開閉式窓、木目調の壁や荷物棚の飾り金具など各所にレトロを再現しています。 JR西日本の意欲が感じられ、乗って楽しい車両です。
 今回は、乗って35系客車を堪能しましたので、次回はこの列車の走りを撮りたいと思いました。
(2018年1月 T・O)