廃車直前なので車体に痛みが目立ちます。スロフ62形(オロフ61形)の場合、
こちら側のデッキドアは車掌の監視用に一段下降窓となります。
昭和51年7月26日 長岡運転所
この年の鉄研の合宿は大鰐温泉でした。
その大鰐までの道中、長岡運転所でスロフ62形のトップを撮ることができました。
当時、長岡にはスロ62形が3両、スロフ62形が2両配置されていましたが、
定期運用を持たない波動輸送用でした。
あまり出番がなかったようで、この年の11月には廃車・転属で配置がなくなっています。
さて、スロフ62 2001の履歴ですが、昭和37年9月に長野でオハ61 243を改造しオロフ61 2001が誕生。
昭和43年7月にオロフ61 2001を冷房改造しスロフ62 2001となりました。廃車は前述の通り昭和51年11月です。
オロ61形・オロフ61形は、並ロの置換え用としてオハ61形から改造されました。
種車のオハ61形は、気動車の増備で余剰となった客車を原資としており、
この複雑な玉突きの経緯をひも解くのも面白しろそうですね。
オロフ61形は最初の3両がオハ61形からの直接改造、続く12両はオロ61形からの改造です。
そして、スロフ62形は15両がオロフ61形の改造、続く18両はスロ62形からの改造となっています。
ところで、オハ61形の窓幅は1,000mm、窓間の柱は335mmですが、
オロ61形(オロフ61形・スロ62形・スロフ62形)のシートピッチは1,270mmです。
そうなんです、窓割とシートピッチが一致していないんです。
シートピッチを1,335mmにすると端の席を壁向きにした時に足が入らなくなり、
これを解消すべく壁を動かすと今度は便所が置けなくなる、という改造車ならではの制約があったのです。
図面を読み解くのも面白いものですね。
余談ですが、私は旧型客車の屋根を切り詰めてクーラーを載せた姿を好みませんので、
スロ62形、スロ54形を模型で持つ予定がありません。急行の編成には制約が大きいのですが・・・
(2012年7月 H・T)