トップナンバーアルバム

モハ141-1のサイドビュー。左側の小窓が元運転室。右側の客室扉が移設されたもの。
また、扉の下にあるのが軌道区間で使用する折り畳み式ステップ。 2002年8月21日  武生新駅(現在の越前武生駅)


 今月の友情出演は福井鉄道のモハ140-1形です。 私は地方私鉄にはあまり乗っておらず、この福井鉄道も客貨車区の脇で走る姿を見た程度です。 大山@管理人の掲示板の投稿に刺激されたT・Oの福井鉄道をご覧ください。(2014年7月 H・T)
 福井鉄道は、鉄道線車両が道路併用軌道に乗り入れする特徴を持っていました。 過去形となったのは、今でも鉄道線車両は在籍していますが、 現在の主力は元名鉄美濃町線などで走っていた路面電車タイプの車両となったからです。
 さて、福井鉄道の2代目140形(初代140形は元名鉄モ700形+ク2200形)は初代が老朽化し、 その代替として1979年(昭和54年)から1981年(昭和56年)にかけ登場した鉄道線車両です。 2両編成X3本、計6両が在籍しましたが、新車ではなく、 譲渡車や生え抜き車両改造(モハ42→モハ143-1)で誕生しています。 武生方のモハ140-1形はパンタと制御器、福井方のモハ140-2形に発電機とコンプレッサを搭載し、 ユニットを構成しています。なお、制御器、モータは全車統一されていました。
 トップナンバーのモハ141-1は、1941年(昭和16年)汽車製造で造られた長野電鉄300形が前身です。 福井鉄道への入線にあたり、福井方運転室撤去、武生方客室扉移設改造がなされています。 また、モハ141-2は名鉄瀬戸線昇圧に伴い余剰となった1931年(昭和6年)製のモ900形で、 こちらも入線時に、前面貫通扉を撤去、武生方の運転室撤去、福井方の客室扉移設が行われています。
 福井鉄道の主力として20年以上活躍しましたが、老朽化でモハ142編成が1998年(平成10年)、 モハ143編成が1999年(平成11年)に廃車、トップナンバーのモハ141は乗務員訓練車としてその後も在籍していましたが、 名鉄からの路面電車タイプ譲渡で2006年4月1日に定期運用離脱、同10月14・15日の「さよなら運転」後に除籍、 解体をされてしまいました。
 道路併用軌道を行く鉄道車両は、私が居住していた滋賀でも京阪京津線で見ることが出来たのですが、 なんとなくユーモラスでその走る光景が好きでした。
 富山港線が富山ライトレールに、加越能鉄道が万葉線で復活したように、福井鉄道福武線も路面電車を導入して、 乗降客減少に歯止めがかかったようです。 鉄道車両が無くなってしまうのには、寂しさを感じますが、 路面電車として生き延びてくれたので鉄道ファンには嬉しいことです。(2014年7月 T・O)


モハ141-2側から見た編成。ユニット編成ですが、元になった車両の違いが樋の段差や ベンチレータなどで分かります。
2002年8月21日  武生新駅(現在の越前武生駅)