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夜間作業に備え、保線機材を積み込みだモニ1。   2006年6月28日 強羅駅


現在はオレンジ色となり、運転室にはスコップを持った猪が描かれました。ここがモニ1の定位置となります。   2011年1月11日 強羅駅


 箱根登山鉄道の最終回は事業用車のモニ1形です。 厳しい地形から車体寸法も車輌性能も独自のものとなり、他社からの移籍も、他社への移籍もなく、 他にない箱根登山の世界が形作られていますね。結果的にそれが魅力なんです。 T・Oの友情出演でモニ1をご覧ください。(2012年5月 H・T)
 今回は箱根登山の裏方、モニ1です。箱根登山鉄道は小田原〜強羅間15kmのミニ鉄道で、 さらに小田原〜箱根湯本間は小田急車の乗り入れでまかなわれ、 登山電車が走るのは箱根湯本〜強羅間9kmにすぎません。 しかし、箱根の山を最小半径30mの急カーブ、 そして箱根湯本の標高108mから強羅の553mまでを最大80‰、 平均でも50‰で登り下りする中身の濃い路線となっています。 先人達がこの線路を人力で造りあげたのにも感心しますが、保線も大変なようです。 道路は並行して走っていますが、 箱根湯本を出発し最初のスイッチバックとなる出山信号所は車で近づくことは出来ず、 また線路と道路の高低差10m以上の所も珍しくなく、 他の鉄道のようにモーターカーや自動車を使うことができません。
 そのため、保線作業はム1を使っていましたが、老朽化したため1975年(昭和50年)に登場したのがモニ1です。 屋根に発電ブレーキ用の抵抗器を載せ半有蓋車となり、細い運転室と合わせて特異な姿をしています。 なお、形式は「モニ」ですが、在籍したユ1のような荷物運びはしていません。
 この車両の台車は登場時、モハ114が履いていた川崎車両製の板枠台車でしたが、 東急製の台車に履き換えたモハ114が1997年(平成8年)老朽化で廃車されるとこの東急製台車(TS-110A)を貰っています。 2000系第2編成でも、廃車となったモハ111、112の台車を使うなど、 箱根登山鉄道には、部品をトコトン使う気風があるようで、 すぐに捨ててしまう最近の風潮とは違っています。 モニ1は登場して37年ですが、まだまだ活躍してくれそうです。
(2012年5月 T・O)