トップナンバーアルバム

桂駅に進入する準急梅田行きの1300。特急退避で副本線に入ります。  2015年3月7日    桂駅


 関東の通勤電車は、規格型のステンレス車体に席巻され会社別の個性が薄れてしまいましたね。 関西の私鉄にもステンレス車が増えていますが、 関東に比べて各社の個性を維持することにこだわっているように見えます。 その最右翼が阪急であることに異論はないでしょう。 2000系から始まり5000系まで「阪急はみんな同じ顔」なんて言われていましたが、 京都線の3300と5300は顔つきが微妙に違います。 その差は幅の違いが原因ですね。
 今月の友情出演は、そんな阪急から二代目1300をご覧いただくことにしましょう。 最近のことが弱いのですが、二代目1300も顔つきが微妙に異なるのでしょうか。 (2016年2月 H・T)
 2月3日は「阪急大好き」だったM.Nの命日でした。もう11年の年月が経っています。 しかし、M.Nが亡くなってからも阪急トップナンバーをコーナーへ私が投稿しています。 彼のネガには1300系のトップナンバー1301は写っていませんでした。 阪急京都線のエースだった2801は3扉化され、中間に組込まれたものが見つかりましたが、 何故か1301は見当たりません。 もちろん彼のネガを全て調べた訳ではなく、 またM.Nが生前「2扉時代の2801が見つかった!」と言っていましたので、 いつか、どこからか1301のネガが出てくるかもしれません。
 とは、言っているものの、やはり11年の年月が経つと、1300系の2代目が登場しています。 そこで今回は2代目1300です。 なお、初代の1300系のトップナンバーは1301ですが、 これは京都線前身、新京阪鉄道時代の慣例を踏襲したもの。 2代目は阪急の規則通り、1300です。
 さて、初代1300系は、阪急初の高性能車試作車として神戸線に登場した1000系、 量産車1010系、宝塚線用1100系、そして京都線用の1300系として登場しましたが、 2代目も神戸線・宝塚線共用が1000系、京都線は1300系となり、 京都線は300番台の伝統は守られています。 外観・内装やVVVFインバータ制御は同じとなっていますが、 使用線区で車体寸法や主電動機に違いがあります。 車幅が神戸線・宝塚線が中津駅構造制限で1000系が2770mmに対し、 制限のない京都線用1300系は2830mmです。 また、主電動機は1000系が永久磁石同期電動機を、1300系はかご形誘導電動機を採用し、 より省エネ、保守性向上となっています。
 9000系・9300系は「すべてのお客様に快適な移動空間」が開発コンセプトでしたが 1000系・1300系は「さらなる環境性能の向上」をコンセプトにしています。 これからの阪急電車を背負っていくことは間違いないと彼は天国で思っているでしょう。 (2016年2月 T・O)


初代の1300系1303。晩年は千里線で使われていました。  1980年1月 淡路駅 M.N撮影