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粟生(あお)駅に停車中のフラワ1985-1。側面デザインは北条鉄道の「北」をイメージしているそうです。  2007年10月6日  粟生駅


 加古川線からは北条線、三木線が小枝のように伸びていましたね。 今月の友情出演は、民営化を控えた国鉄が廃止した赤字ローカル線の一つ、 第三セクターという形で引き継がれた北条鉄道のフラワ1985形をご覧ください。
 なお、隣の三木鉄道はフラワ1985形と同系のレールバス2両で開業、 1998年からフラワ2000形と同系のボギー車3両に更新したものの力つきて廃線。 この3両はまだ新しかったので樽見鉄道、北条鉄道、ひたちなか海浜鉄道に移籍しています。(2014年 H・T)
 21世紀なって、国鉄民営化の頃に第三セクター化された路線は、沿線過疎化などで乗客が減少し、 更に赤字を補填してきた基金も底を尽き、廃止され始めました。
 兵庫県の三木鉄道も2008年(平成20年)3月で廃止と聞き、廃止前に乗っておこうと前年の秋に行きました。 オマケではなかったのですが、その時に近くを走る北条鉄道にも乗車し、撮った写真です。
 当時、北条鉄道では全国的に珍しくなったレールバスが土・日(もしくは土曜だけ?)限定で運転されていました。 富士重工業が第三セクター向けに開発した「LE-CarU」です。 全長12.5m、自量16.5t、2軸の単車で、バス製造技術を取り入れた車体設計で折り戸や窓にバス部品を多用、 コストを抑えた気動車です。 名古屋鉄道、樽見鉄道、三木鉄道、近江鉄道に納入されました。 ただ鉄道車両としては小型で輸送量が不足しまた老朽化してきたため、次々と引退をしています。 この時、現役で動いていたのはトップナンバーである「フラワ1985-1」と 北条鉄道から紀州鉄道へ移籍した「キテツ1」(元、フラワ1985-2)のみとなっていました。 ちなみに「フラワ1985形」は終点北条駅の近くにある「兵庫県立フラワーセンター」と 第三セクター化された1985年(昭和60年)に由来しています。
 2007年頃から、「フラワ1985-1」は不調となり、時々お休みをしていましたが、 私が訪れた時には幸いにも運転されており、粟生から北条町までの22分間、単車独特の揺れを体験してきました。 イベント車として残す計画もあったようですが、2009年1月の故障で休車となってしまいました。 廃止された三木鉄道からの転入車(フラワ2000-3)が稼動を始めたこともあり、紀州鉄道へ譲渡されています。 現在は修理され「キテツ2」として復活、いまだ現役です。 この車両元々耐用年数15年程度とされていましたが、30年近く動いています。 まだまだ頑張っていただきたいものです。
(2014年11月 T・O)


フラワ1985-1のバスのような室内。手前の柱は排気管。  2007年10月6日  北条町駅にて