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セキ6011です。連結間上部や連結器には洗鉱液から保護するカバーが付けられています。  2016年6月12日  春採駅

セキ6011の相方、セキ6012です。  2016年6月12日  春採駅


 国内の石炭採掘はここだけになってしまいましたが、奇跡的にも石炭車が現役で使われています。 採算面から新規の投資が難しいという事情かもしれませんが、鉄道ファンには嬉しい現役続行ですね。  閉じた環境ゆえ新しい試みが容易だったのでしょうか、ここの石炭車はとてもユニークです。 今月の友情出演は、そんな石炭車をご覧ください。(2016年10月 H・T)
 私が鉄道路線の乗り潰しをしていることは、何回か述べさせていただいております。 2016年6月12日も網走から釧路まで釧網本線に乗車しました。網走が10時30分発の快速「しれとこ」で、 釧路まで一気に乗ってしまおうという作戦です。長旅となるので、 網走駅で駅弁を買い込み、キハ54 523に乗車、原生花園や知床半島、 釧路湿原を眺めながら釧路に定刻の13時33分到着しました。 乗って驚いたのが、運転士一人で約3時間の運転をしていたことです。 冬場などどうしているのだろう、と思いつつ下車。 帰りは釧路発19時10分の飛行機を予約していたので、まだ5時間半ぐらいあります。 13時5分「くしろ湿原ノロッコ号」が釧路へ到着していましたので、撮影を考えましたがすでに姿はなく、 やむなく断念しました。そこで考えたのが、太平洋石炭販売輸送の列車撮影です。 とりあえず天然記念物のヒブナが生息する春採湖付近まで行けば、線路に辿り着くだろうと行ってみました。 春採駅はすぐに分かりました。国内で唯一の坑内掘石炭生産を行う釧路コールマイン(株)の選炭場に隣接していますので、 山奥を想像していましたが、駅前にはショッピングセンターがあり、そして周りに多くの住宅が建っていたことは意外でした。 この日は採炭を休んでおり、列車も構内でお休み中。 動く列車は撮影できませんでしたが、機関車と貨車はゆっくり撮ることが出来ました。


セキ6011+セキ6012の連接部分の台車が撮れなかったので、セキ6029+セキ6030の中間台車です。   2016年6月12日  春採駅

 さて、セキ6000形は太平洋石炭販売輸送(株)所有貨車で、 昭和41年(1966年)から昭和62年(1987年)にかけて28両製造されました。 太平洋石炭販売輸送の前身である釧路臨港鉄道と日本車両が共同開発した車両です。 連接方式の2両1ユニットで構成電気連結器を備えた密着自動連結器を装備、 扉の開閉や連結が機関車から操作が出来る珍しい貨車となっています。 1両ずつ番号が振られており、6011と6012がペアを組む形式番号付与となっています。 トップナンバーはセキ6011です。6011から始まる理由はわかりません。 かつて、釧路臨港鉄道には国鉄から譲渡されたセキ3000形が在籍しておりましたが、 セキ3001〜セキ3011で続き番号ではないようです。
 太平洋石炭販売輸送の臨港線は、選炭場がある春採(はるとり)から知人(しれと)の貯炭場までのわずか4.0kmの路線です。 今回は稼動をしていませんでしたが、 次回の訪問では電気式ディーゼル機関車 DE601がセキ6000形に石炭を積み輸送する姿を見てみたいと思っています。 (2016年10月 T・O)


網走から釧路まで乗車したキハ54 523の快速「しれとこ」。  2016年6月12日  知床斜里駅

春採駅の構内です。右側が釧路コールマインの選炭場。 左側が車庫。ロッド駆動式D401などが休んでいました。
今回の訪問ではキタキツネが入口でお出迎えしてくれました。 (右下の茶色の動物です)  2016年6月12日  春採駅