トップナンバーアルバム

造船会社製造らしい無骨な顔つきをしています。最初に思ったのは「前方視界はどうなんだろう」でした。   2007年10月7日 彦根車庫


 近江鉄道は私の守備範囲外でして、米原あたりで近江鉄道は見かけていますが、いまだ乗ったこともありません。 まぁそんなことで今月の友情出演には気のきいたコメントも出来ないのですが、 近江鉄道のED31 1をT・Oの写真でご覧ください。(2012年11月 H・T)
 近江鉄道の電気機関車がトップナンバーアルバムに掲載されるのはこの「ED311」が3台目となります。 今では私鉄で貨物営業を行っているのは、秩父鉄道と三岐鉄道しかありませんが、 昔は多くの鉄道会社で貨物を取扱っていました。 私が中学生の頃東急東横線菊名駅でも荷扱いがあり、貨車が止まっていた記憶があります。 いつしかトラック輸送に代わってしまいました。
 近江鉄道も、1988年(昭和63年)3月で貨物営業を全廃しました。 しかし、使われていた機関車を今でも数多く保存しています。 特に「ED14形」は東海道線東京〜沼津間電化の際、アメリカGE社から輸入した車両で、 博物館で保存すべきと思っています。
 さて、そのような会社で保存をされている「ED311」は、 1923年(大正12年)に車体と機械部分を石川島造船所、電気機器を芝浦製作所が造り、 伊那電気鉄道(飯田線)に納入された「デキ1形デキ1」です。 これもの黎明期の国産電気機関車で博物館で展示すべきものといえます。 同社は1943年(昭和18年)国鉄に戦時買収されましたが引き続き飯田線で使用され、 1952年(昭和27年)形式改称で「ED31形」となりました。 世の中が戦後の混乱から抜け出ると買収された車両の廃車が始まります。 「ED311」も1955年(昭和30年)に廃車となり僚機「ED312」とともに西武鉄道へ譲渡され、 さらに1960年(昭和35年)に近江鉄道へ再譲渡されます。 国鉄から直接譲渡の「ED313」「ED314」「ED315」とともに本線で貨物列車の主力として活躍しました。 運用がなくなってからは彦根工場内で保管され、2004年(平成16年)除籍されました。
 今でも塗装などはされているようですが、今後も末永く保存をしていただきたいものです。 (2012年11月 T・O)


ED313は車籍があるようですが、ATS未装備で、また機関車免許を持つ運転士がいないなど本線走行は無理なようです。
2007年10月7日 彦根車庫

上信電鉄へ譲渡されたED316は箱型に改造されました。こちらも貨物営業が無くなり高崎車庫の片隅に保存をされていましたが、
2007年再塗装されイベントなどで展示されています。                         2011年8月6日 上信電鉄高崎車庫