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彦根車庫の片隅で休車中のED4001。屋根に傷みが出ています。  1995年1月8日  彦根車庫


 先月(平成21年7月)東武博物館がリニューアルオープンし、モハ5701とED101が静態保存に加わりました。 モハ5701の顔を復元したことについては賛否両論あるようですが、自社の車両を保存する姿勢は嬉しいですね。 私の地元の東急は電車とバスの博物館を持ってはいるのですが、 里帰りして整備したにもかかわらずデハ5001はとんでもない姿になり、 デハ5201は東急車輌に下駄を預け、電車とバスの博物館が宮崎台に移転した際には新規の保存が何もありませんでした。
 さっそく東武博物館を訪れたT・Oの近江鉄道時代のED4001と東武博物館のED101をご覧ください。(2009年8月 H・T)
 滋賀県草津市に12年住んでいましたので近江鉄道バスは通勤などで乗りました。 しかし、湖東(滋賀県は琵琶湖を中心としていますので、長浜、米原、彦根あたりをさします。 ちなみに湖北は余呉、木ノ本、湖西線が走る堅田、近江今津などが湖西、そして大津が湖南と言います。) を走る鉄道はほとんど乗る機会がありませんでした。
 このED4001も大学時代からの友人が近江鉄道多賀線(高宮〜多賀大社) 乗り潰しするというので同行し帰りに彦根で撮ったものです。
 この時すでに貨物輸送は廃止されていたにも拘らず彦根の車庫には多くの電機が止まっており 「何の為に置いてあるのかな?」と思っていました。 その後、彦根駅東口再開発で車庫が整理されたときも廃車後保管されていた電車は解体されたものの、 全ての電機と貨車の一部が保存され、「彦根城築城400年祭」の一環として作られた駅構内の「近江鉄道ミュージアム」 で展示されました。親会社の西武鉄道も電機を保存しており西武鉄道系列は電機を伝統的に大切にするのでしょうか? また、ここで展示されているED141、ED144、ED313、ED314にはまだ車籍があります。 ただ、ATSが装備されず、機関士も養成されていないことから、本線で動くことはありません。
 さてED4001ですが、1928年(昭和3年)英国イングリッシュ・エレクトリック社製で、 1930年(昭和5年)2月に東武初の電機機関車として就役しています。当初はED10形ED101と称していましたが、 1955年(昭和30年)にED4001(ED4000形)に改番され、1972年(昭和47年)まで活躍した後、 近江鉄道に形式そのままで譲渡されました。住友セメント貨物や彦根駅構内の入換に従事しました。 しかし1988年(昭和63年)に貨物営業が廃止されると運用がなくなり休車となっています。 2004年(平成16年)に廃車されました。
 その後、前述のミュージアムで展示されていましたが、2009年(平成21年)に東武に里帰りし、 ED101に復元されて、東向島の東武博物館でモハ5701とともに展示されています。
(2009年8月 T・O)

近江鉄道ミュージアムに展示されていた頃のED4001。再塗装で綺麗な姿となっています。
2007年10月7日 彦根の近江鉄道ミュージアム

ミュージアムに展示されていた時とほぼ同じ位置から撮ったもの。 銘板が磨かれステップも東武就役時の姿に復元されています。
しかし運転室窓がHゴムとなっており、機械室窓の様な金属留めに復元して欲しいとところです。
2009年7月28日 東向島の東武博物館