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長沼駅に到着するクモハ1001(手前)とクハ1501(奥)。  2005年8月13日 長沼駅

2013年に見た時はスカートが付けられ、前面印象が変わり、さらにラッピング車となっていました。  2013年8月13日 御門台〜草薙


 鉄道車両は工業製品としては生産数が少なく、量産効果が少ないと言われています。 確かに自動車の製造数は桁が違いますね。 これは裏返せば設計の負担が相対的に大きい訳で、 昔から設計を流用することがしばしば行われてきました。
 さて、今月の友情出演は東急7200系にそっくりな静岡鉄道のクモハ1000・クハ1500形をご覧いただきます。 しかし、このそっくりさんが電気指令ブレーキを採用していたことはは知りませんでした。 中小私鉄としては電気指令ブレーキの採用は早いほうですよね。 (2015年12月 H・T)
 私は中小私鉄が好きで、よく行きます。 近場では、箱根登山鉄道や伊豆箱根鉄道大雄山線、ちょっと静岡まで足を伸ばして、 岳南鉄道(現:岳南電車)、静岡鉄道などです。 静岡鉄道でも大磯からは東海道線普通列車に乗車して約2時間で到着します。 静岡鉄道は、全ての営業車両は、1000形ですが、 長沼車庫には元鶴見臨港鉄道のクモハ20(2007年老朽化により解体)が保存されて、なかなか面白味がありました。 2005年夏に行った時、クモハ20を撮影して振り返ると、クモハ1001+クハ1501編成が丁度ホームに到着するところでした。
 さて、1000形は300形などの旧型車置換え用として1973年(昭和48年)に第一陣が登場しています。 静岡鉄道では300形など自社製造してきましたが、ステンレス車体は技術がなく、コスト面からも東急車両へ発注されています。 そのため、車体は東急の7200系を基本としていますが、非貫通の正面はオリジナル設計です。 また運転機器は7200系がマスコンとブレーキ弁が独立しているのに対し、 同時期に製造された東急の8000系と同じくワンハンドル方式、 ブレーキも電磁直通ブレーキから電気指令方式へ変わっています。
 この車両は登場から40年以上経ち、来年2016年にはA3000形へ置換わります。 しかし、車体はステンレス製で傷んでいませんし、300形などと同じ様に第二の人生を歩めるのでしょうか。 ただ、今の時代、抵抗制御方式車両の受け入れ先を探すことは難しそうです。 (2015年12月 T・O)


クモハ1010の側面。東急の7200系に瓜二つですが、車体長は17,840mmと160mm短くなっています。   2005年8月13日  長沼車庫

クモハ1001の相棒クハ1501です。  2013年8月13日 草薙駅