トップナンバーアルバム


1989年、神海〜樽見間が延長開業され、 「乗り潰し」に行った時に撮影したハイモ180-101。
ドアの下部に設置されたステップが車体の狭さを物語っています。 (1989年11月12日 本巣)


 今回の友情出演は樽見鉄道からハイモ180形です。鉄研の同期とは年一回の旅行に出た時の成果です。 当時はオハフ500が現役でしたので、 私はそっちに集中していてハイモの写真は撮らずに終わっています。 (2005年12月 H・T)

 このハイモ180形は現在は鉄道車両製造から撤退している富士重工が1980年代 に地方閑散鉄道路線用に開発したレールバス(LEカー:Light & Economy car)です。
 2軸単車を採用し、鉄道車両用台枠に富士重工のR15系バスボディーを載せた 形となっています。国鉄樽見線(大垣〜美濃神海(現 神海)間)から第三セク ターに転換された樽見鉄道の開業に合わせて1984年(昭和59年)10月に3輌投入 されました。
 バス用クロスシートを装備した「101」とロングシートの「201」、「202」で す。なお、朝の通学列車はLEカーでは輸送力が足りませんでしたので、ハイモ と同じ塗装をしたオハフ500形(元オハフ33)2輌をDLが牽引していました。 ち なみにハイモとはハイモーターカーの略で、「180」はエンジン出力を表してい ます。
 実用化第一号はタッチの差で1984年9月に運用を開始した名古屋鉄道のキハ10 形(すでに廃線となっている八百津線、三河線の猿股〜西中金間に投入)に譲り ましたが、キハ10形正面は貫通路が設けられ鉄道車両工法が採用され形態であっ たのに対し、ハイモ180形は完全なバス顔となっています。
 ただ、このハイモ180形のような第一世代のLEカーは、空気バネを採用して いますが単車のため乗り心地があまり良くなく、車体長 12m、車体幅 2440mmで 鉄道車両としては小形で収容人員が少なかったことから、樽見鉄道と名古屋鉄道 の他には三木鉄道、北条鉄道、近江鉄道が導入したに止まり、ボギー台車を採用 し、車体長16m、車体幅も普通の鉄道車輌並みとした、第二世代のLEカーが 1985年末には誕生しています。
 このトップナンバーの「101」は、クロスシートで収容人員が特に少なかった ことから、1994年(平成6年)有田鉄道に譲渡されました。同鉄道廃止後、在籍 していたキハ58や貨車は保存されているようですが、このLEカーはどうなった のでしょうか?
 他の2輌も「201」はすでに廃車され、予備車でほとんど出番のなくなってい た「202」も2006年1月に「さよなら運転」を行い引退をします。(2005年12月  T・O)


客車列車と交換するハイモ230形(ハイモ230−312)は第二世代のLEカー (1989年11月12日 本巣)